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スペイン新旧キノコ料理合戦 [料理]

マドリードから200kmほどのソリアは、只今、街中キノコづくし。キノコを観光の目玉にする目的で、街中のシェフががんばっているようです。
本当にたくさんキノコを食べました。




Pan Manchado con Fuevo Cocinado a Baja Temperatura, Foie, Trufa Negra yTorreznitos de Soria

到着して最初のレストラン「Virrey Palafox」 で食べたこの料理はとてもおいしかったです。
卵と黒トリュフをココットに入れ低温で半熟に焼き、カリカリに揚げた豚の脂がのせられてています。





とろんと脂が甘くてやわらかいハモン・イベリコと「セタ・デ・カルド」というキノコのソテー。





チョリソと「ニカロス」というキノコのソテー。
このへんで、かなりテンプラニーニョのスペインワインを飲んで、出来上がったきました。





Solomillo de Vieira a la Plancha con Hongos Asados con "Zaraguja"y Morro de Cerdo Confitado

今回、とてもよく出たのがホタテです。山の真ん中だから、海産物はどこからか運ばれてくるのだと思いますが…。サッとソテーしたホタテに豚の皮をカリカリにソテーしたものをのせ、トリュフ入りのクリームソースを添えた料理。サラダに混じっているのは「ホンゴ」というキノコだそうです。そろそろお腹がいっぱいです。





Arroz con Muenudillos Crestas de Garro
前の皿がメインディッシュだと思っていたのに、ここでリゾット!
でも、めちゃめちゃおいしかったです。キノコのエキスで堅めに炊いた米に、上にのっているのもキノコかな…と思ったら、雄鶏のとさかのソテー!! スペインの人は鶏も余さず使うそうです。ソテーしたキノコとよく似た食感でした。上にのっているのは鶏の内臓のソテーです。





Crema de Alubias del Burgo con Cardo de la Vega el Ucero
えっ!? ごはんのあとにまたスープ!? この土地らしい、田舎風の豆スープ。チョリソでだしをとっているので、ちょっとスモーキーな風味がありました。上に、白菜のようなゆでた葉野菜がのっていてヘルシーです。





Rulo de Lubina con Salsa de Amanita Cesarea
やっぱりね~。これからがメインだよね…と、破裂寸前の腹をさすりながら食べたのが、スズキのような魚をロール状に仕立て、「アマニータ」と呼ばれるキノコのクリームソース添え。





El Cordero Lechal Churro Asado a la Manera Tradiciona
このへんに来ると、満腹と時差ぼけで写真をとるのも精いっぱい。
乳のみ羊の薪窯焼き。肉がホロホロなんだけど、田舎っぽく、かなり塩味が強かった! 本当においしかったのだが、一口しか食べられなかった・・・。同じテーブルにいた人のほとんどが残していた、とどめのメインディッシュ。





最後にデザート2皿だもーん! まったく、手をつけられなかったです。
でも、そばに座っていたドイツ人は「僕は食のジャーナリストじゃないから、よくわからないけど、おいしいねー」とすべての皿をたいらげていました。





“地元で昔から親しまれているレストラン”というかんじの、とてもいいお店でした。どの料理もきっと日本人が大好きな味です。がっつり系の料理に、スペインらしいコクのあるワインがよく合いました。



翌日も3時ごろにボリュームたっぷりの昼ごはんをいただき、「もう、胃の中には1㎤も余裕はない!!」と早くホテルに帰ることばかり考えていたのですが、7時には山間にそびえるお城のそばのレストランに到着! 
1時間後には、ソリアで開かれるキノコ学会のメンバーとともに食事会がスタートしました。




アペタイザーはスプーンにアレンジされたピンチョスで・・・




これがすごくおいしい! クリーム色のつるんとした物体は、オリーブのおいしさを分解し、再構築した“ニセオリーブ”。口にいれるとぷちっとはじけます。その上にアンチョビがのっていて、出されたカバが進む、すすむ。





そのほか、いろいろなピンチョスが登場しました。どれもおいしいだけでなく、
驚きのプレゼンテーションでした。そして、一皿目がやってきました。正直、ホッとしました。それまでに食べていた、田舎風のがっつり系だったら、もう駄目だと思っていたのですが、思いがけずモダンな料理。地元でとれるアマニータと呼ばれる黄色いキノコを生のままスライスし、ロブスターのタルタル、いくらとともに、アーティチョークのソースで食べるのです。ポーションも少なくて、本当に良かった!





ここでもホタテが登場。さっと半生状態にソテーした貝柱に、ボレタスというキノコのソテーと、キノコのジュースを煮詰めたソース、そして上には生のエノキがあしらわれています。これも、クリア!





この辺になってくると、眠さも手伝って、ほとんど食べることができません。
牛肉のステーキにセタ・デ・カルドというキノコのソテー。添えられた、長ネギのような、少し辛味のあるネギが、こってり味を引き締めていました。





ありがとう、グラティアース(ところで、スペインでは“ありがとう”を「グラシヤス」ではなく、シの部分を英語のTHのように舌をかんで発音するそうです)!
デザートもヨーグルトとマンダリンオレンジのさわやか風味。このあと、甘い白ワインが出ました。そして、最後にさらなる驚きが!





カプチーノをカクテルグラスに入れただけ…というわけではありません。匂いをかぐと、キノコ! トランペット茸の香りを注入したコーヒーです。
香りはほぼキノコなのですが、味はコーヒーのまま。田舎ふうのキノコづくしもいいですが、こんなセンスのいいメニューも可能なんですね。勉強になりました。

これらの料理をつくっているのは、さぞかし若い勢いのあるシェフかと思いましたが、カルロス・デ・パブロさんは、なんだか脂の抜けた、やさしげな方でした。本当に今回の旅で、彼の料理を食べられたのは大きな収穫でした。



ソリアの「Casa Vallecas」というのが、彼のレストランです。

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